トラのアムールとヤギのチムール(ロシア語: Амур и Тимур)は、ロシア沿海地方のウラジオストクにあるサファリパークで飼育されていた、仲の良いトラとヤギである。 トラのアムール(オス)には、本能を維持するために毎週2回、ヤギやウサギなどが生き餌が与えられていた。2015年11月にヤギを「昼ごはん」として囲いの中に入れたところ、このヤギはアムールを恐れるどころか立ち向かい、アムールに対して攻撃を加えてその寝床を奪うほどになった。しかたなく、アムールは小屋の屋根で夜をすごすようになった。この結果、アムールはこのヤギを食べるのをやめ、両者は仲良くなった。 まもなく両者は一緒に遊ぶほどに仲良くなった。チムールは、アムールを「ボス」とみなして後をついて回ったり、一緒に雪の中で遊ぶ姿もみられた。その後もトラには生き餌が与えられたが(ただし、ヤギは避けてウサギだけを与えるようになった)、ヤギのチムール(オス)を襲うことはなく、アムールがチムールに狩りの仕方を教えるような様子もあった。クリスマスには、アムールがチムールを真似て植物を食べる素振りもみせた。チムールの方もトラの姿が現れるまで朝食を食べないようになり、むしろトラがそばにいる時のほうが食欲が旺盛になるほどだった。

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  • トラのアムールとヤギのチムール(ロシア語: Амур и Тимур)は、ロシア沿海地方のウラジオストクにあるサファリパークで飼育されていた、仲の良いトラとヤギである。 トラのアムール(オス)には、本能を維持するために毎週2回、ヤギやウサギなどが生き餌が与えられていた。2015年11月にヤギを「昼ごはん」として囲いの中に入れたところ、このヤギはアムールを恐れるどころか立ち向かい、アムールに対して攻撃を加えてその寝床を奪うほどになった。しかたなく、アムールは小屋の屋根で夜をすごすようになった。この結果、アムールはこのヤギを食べるのをやめ、両者は仲良くなった。 まもなく両者は一緒に遊ぶほどに仲良くなった。チムールは、アムールを「ボス」とみなして後をついて回ったり、一緒に雪の中で遊ぶ姿もみられた。その後もトラには生き餌が与えられたが(ただし、ヤギは避けてウサギだけを与えるようになった)、ヤギのチムール(オス)を襲うことはなく、アムールがチムールに狩りの仕方を教えるような様子もあった。クリスマスには、アムールがチムールを真似て植物を食べる素振りもみせた。チムールの方もトラの姿が現れるまで朝食を食べないようになり、むしろトラがそばにいる時のほうが食欲が旺盛になるほどだった。 アムールとチムールの様子がインターネットなどで報じられると、大きな話題となった。両者の住処には5台のウェブカメラが設置されて公開された。「アムール・チムール・プロジェクト」が立ち上げられ、ロシアで行われる「原初のロシア」という自然博物展示会の目玉として伝えられるようになった。 しかし約2ヶ月の共同生活のあと、2016年1月の末に両者は喧嘩をした。チムールはツノでアムールを小突きまわすようになった。アムールは1時間あまりに渡って我慢したが、とうとう怒り、チムールの襟首をつかんで坂から投げ落とした。チムールは背中に傷を負った。 治療によってチムールは2週間ほどで回復したが、再び共同生活をさせるかどうかは見送られることになり、格子を隔てて隣り合う檻に入れられた。アムールはチムールに対して攻撃的に振る舞うことなく、親愛の情を見せるかのように振る舞った。アムールは、むしろチムールを連れ出して両者を引き離してしまった人に対して怒りをみせるように振る舞った。 その後、チムールは再び治療のために引き離され、4月の末にモスクワの全ロシア博覧センターにある獣医アカデミーへ移送された。7月にチムールが帰ってくると、アムールはその鳴き声をききつけて近づき、お互いに臭いを嗅ぎあって仲良くする素振りをみせた。 ヤギのチムールがトラを恐れなかった理由は、その生い立ちにあるという。チムールをもともと飼っていた農場によると、チムールはトラとよく似た毛色で、獰猛なセントラル・アジア・シェパード・ドッグと一緒に育った。チムールは若い頃からイヌと争ってその餌を奪ったり、他のヤギやヒツジを襲い、ときには殺してしまうことさえあったのだという。農場では他の動物に危害を加えるという理由で、チムールを手放してサファリパークへ送ったのだった。 (ja)
  • トラのアムールとヤギのチムール(ロシア語: Амур и Тимур)は、ロシア沿海地方のウラジオストクにあるサファリパークで飼育されていた、仲の良いトラとヤギである。 トラのアムール(オス)には、本能を維持するために毎週2回、ヤギやウサギなどが生き餌が与えられていた。2015年11月にヤギを「昼ごはん」として囲いの中に入れたところ、このヤギはアムールを恐れるどころか立ち向かい、アムールに対して攻撃を加えてその寝床を奪うほどになった。しかたなく、アムールは小屋の屋根で夜をすごすようになった。この結果、アムールはこのヤギを食べるのをやめ、両者は仲良くなった。 まもなく両者は一緒に遊ぶほどに仲良くなった。チムールは、アムールを「ボス」とみなして後をついて回ったり、一緒に雪の中で遊ぶ姿もみられた。その後もトラには生き餌が与えられたが(ただし、ヤギは避けてウサギだけを与えるようになった)、ヤギのチムール(オス)を襲うことはなく、アムールがチムールに狩りの仕方を教えるような様子もあった。クリスマスには、アムールがチムールを真似て植物を食べる素振りもみせた。チムールの方もトラの姿が現れるまで朝食を食べないようになり、むしろトラがそばにいる時のほうが食欲が旺盛になるほどだった。 アムールとチムールの様子がインターネットなどで報じられると、大きな話題となった。両者の住処には5台のウェブカメラが設置されて公開された。「アムール・チムール・プロジェクト」が立ち上げられ、ロシアで行われる「原初のロシア」という自然博物展示会の目玉として伝えられるようになった。 しかし約2ヶ月の共同生活のあと、2016年1月の末に両者は喧嘩をした。チムールはツノでアムールを小突きまわすようになった。アムールは1時間あまりに渡って我慢したが、とうとう怒り、チムールの襟首をつかんで坂から投げ落とした。チムールは背中に傷を負った。 治療によってチムールは2週間ほどで回復したが、再び共同生活をさせるかどうかは見送られることになり、格子を隔てて隣り合う檻に入れられた。アムールはチムールに対して攻撃的に振る舞うことなく、親愛の情を見せるかのように振る舞った。アムールは、むしろチムールを連れ出して両者を引き離してしまった人に対して怒りをみせるように振る舞った。 その後、チムールは再び治療のために引き離され、4月の末にモスクワの全ロシア博覧センターにある獣医アカデミーへ移送された。7月にチムールが帰ってくると、アムールはその鳴き声をききつけて近づき、お互いに臭いを嗅ぎあって仲良くする素振りをみせた。 ヤギのチムールがトラを恐れなかった理由は、その生い立ちにあるという。チムールをもともと飼っていた農場によると、チムールはトラとよく似た毛色で、獰猛なセントラル・アジア・シェパード・ドッグと一緒に育った。チムールは若い頃からイヌと争ってその餌を奪ったり、他のヤギやヒツジを襲い、ときには殺してしまうことさえあったのだという。農場では他の動物に危害を加えるという理由で、チムールを手放してサファリパークへ送ったのだった。 (ja)
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  • トラのアムールとヤギのチムール(ロシア語: Амур и Тимур)は、ロシア沿海地方のウラジオストクにあるサファリパークで飼育されていた、仲の良いトラとヤギである。 トラのアムール(オス)には、本能を維持するために毎週2回、ヤギやウサギなどが生き餌が与えられていた。2015年11月にヤギを「昼ごはん」として囲いの中に入れたところ、このヤギはアムールを恐れるどころか立ち向かい、アムールに対して攻撃を加えてその寝床を奪うほどになった。しかたなく、アムールは小屋の屋根で夜をすごすようになった。この結果、アムールはこのヤギを食べるのをやめ、両者は仲良くなった。 まもなく両者は一緒に遊ぶほどに仲良くなった。チムールは、アムールを「ボス」とみなして後をついて回ったり、一緒に雪の中で遊ぶ姿もみられた。その後もトラには生き餌が与えられたが(ただし、ヤギは避けてウサギだけを与えるようになった)、ヤギのチムール(オス)を襲うことはなく、アムールがチムールに狩りの仕方を教えるような様子もあった。クリスマスには、アムールがチムールを真似て植物を食べる素振りもみせた。チムールの方もトラの姿が現れるまで朝食を食べないようになり、むしろトラがそばにいる時のほうが食欲が旺盛になるほどだった。 (ja)
  • トラのアムールとヤギのチムール(ロシア語: Амур и Тимур)は、ロシア沿海地方のウラジオストクにあるサファリパークで飼育されていた、仲の良いトラとヤギである。 トラのアムール(オス)には、本能を維持するために毎週2回、ヤギやウサギなどが生き餌が与えられていた。2015年11月にヤギを「昼ごはん」として囲いの中に入れたところ、このヤギはアムールを恐れるどころか立ち向かい、アムールに対して攻撃を加えてその寝床を奪うほどになった。しかたなく、アムールは小屋の屋根で夜をすごすようになった。この結果、アムールはこのヤギを食べるのをやめ、両者は仲良くなった。 まもなく両者は一緒に遊ぶほどに仲良くなった。チムールは、アムールを「ボス」とみなして後をついて回ったり、一緒に雪の中で遊ぶ姿もみられた。その後もトラには生き餌が与えられたが(ただし、ヤギは避けてウサギだけを与えるようになった)、ヤギのチムール(オス)を襲うことはなく、アムールがチムールに狩りの仕方を教えるような様子もあった。クリスマスには、アムールがチムールを真似て植物を食べる素振りもみせた。チムールの方もトラの姿が現れるまで朝食を食べないようになり、むしろトラがそばにいる時のほうが食欲が旺盛になるほどだった。 (ja)
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  • トラのアムールとヤギのチムール (ja)
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