テクネチウム99m(Technetium-99m、99mTc)は、テクネチウムの同位体たるテクネチウム99の準安定核異性体である。年間数千万件の医療診断に使用されており、世界で最も頻用されている医療用放射性同位元素である。 テクネチウム99mは、として使用され、医療機器(ガンマカメラ)によって体内から検出することができる。テクネチウム99mは、141keVの検出可能なガンマ線を放出し(この8.8pmの光子は、従来のX線診断装置が放出するのとほぼ同じ波長である)、ガンマ線放出の半減期が6.0058時間(つまり、24時間で93.7%が99Tcに崩壊する)であることから、この役割に適している。同位体の物理的半減期が比較的「短く」、生物学的半減期が1日であることから(人間の活動や代謝の観点から)、迅速にデータを収集しつつ、患者の総被曝量を低く抑えることができる造影方法が可能となる。しかしこの特性により、この同位体は治療目的での使用には適していない。