数学において、スペクトル理論(スペクトルりろん、英語: spectral theory)とは、正方行列の固有ベクトル、固有値に関する理論の無限次元への拡張を指す。 スペクトル理論の名称は、ダフィット・ヒルベルトが自身のヒルベルト空間論の定式化に際して、“無限個の変数を持つ二次形式”に対応する固有値をスペクトルと呼んだことに由来する。スペクトル定理は、楕円体のに関する定理の無限次元への拡張として考えられた。量子力学において、離散スペクトルの特徴をスペクトル理論を用いて説明できることが思いがけず知られるようになるが、それは後の時代の話である。