ストレプトマイシン(Streptomycin)は、細菌感染症の治療に用いられる抗生物質であり、結核、マイコバクテリウムアビウムコンプレックス感染症、心内膜炎、ブルセラ症、バークホルデリア感染症、ペスト、野兎病、鼠咬症などに適用がある。 最初に発見されたアミノグリコシド類であり、結核の治療に用いられた最初の抗生物質である。略してストマイともいう。消化管からの吸収がよくないため経口投与できず、筋肉内注射(筋注)もしくは静脈注射となる。真正細菌(バクテリア)型リボソームのみに選択的で、それ以外の生物、例えば古細菌には効果がない。古細菌に近い祖先をもつと考えられる真核生物本体のリボソームも阻害を受けず、真正細菌のみを選択的に殺すことができる。ただし、ミトコンドリアリボソームは進化的に真正細菌に起源があり、ある程度影響を受ける。これが副作用の原因の一つになると考えられている。 1943年にによって、放線菌の一種 Streptomyces griseus の代謝物から発見された。WHO必須医薬品モデル・リストに掲載され、WHOの「人間医学において非常に重要な抗菌剤」リストに掲載されている。 また農薬でもあり、硫酸塩および誘導体のが殺菌剤として発売されている。