スギ花粉米(すぎかふんまい)とは、摂食によりスギ花粉症を緩和させることを目的に遺伝子組換え技術を用いて作出されたイネのことである。遺伝子組換えによってスギ花粉が持つ抗原タンパク質が種子に蓄積するように改変されており、経口摂取によって減感作を誘導し、スギ花粉症が緩和される効果があることが期待されている。2005年に農業生物資源研究所の高木英典らによってマウスでスギ花粉へのアレルギー症状の緩和が報告され、ヒトへの応用に向け研究開発が進められている。2000年台初頭の研究開発当初は健康食品として実用化することを念頭に開発していたため名前を「スギ花粉症緩和米」としていたが、のちに医薬品として提供することに研究目標に変えたため「スギ花粉症治療米」と命名した。しかしその後、オープンイノベーション方式の開発方式に転換し、名前も「スギ花粉米」へと変更された。