シッパル(Sippar、シュメール語:𒌓𒄒𒉣𒆠 / Zimbir)はシュメール時代から南部メソポタミア(バビロニア)で繁栄した古代の都市。その起源は前4千年紀、ウルク時代にまで遡る。宗教上重要な都市であったと思われ、多くの王がこの都市の神殿や城壁の建設に関する記録を残しているものの、シッパルの歴史そのものに関してはあまり多くのことはわかっていない。 現在のイラク、バグダード県のに近いテル・アブー・ハッバーフ(Tell Abu Habbah)遺跡が古代のシッパルに対応する。メソポタミアを形成する2つの主要河川、ユーフラテス川とティグリス川が最も近接する地域の、ユーフラテス川東岸に位置した。姉妹都市というべき(Sippar-Amnanum、現在のテル・エッ=デール)がユーフラテス川を挟んだ西岸に存在しており、古代の都市名シッパルはこの両方を指す場合もある。本記事で述べるシッパル市を指すより厳密な名称はシッパル=ヤフルルム(Sippar-Yahrurum)であった。