確率論におけるコルモゴロフの0-1法則(コルモゴロフの0-1ほうそく、英: Kolmogorov's zero–one law)は、アンドレイ・コルモゴロフにちなんで名づけられた定理である。この定理は、末尾事象(tail event)と呼ばれる特別な事象は、ほとんど確実に起きるか、あるいはほとんど確実に起きないかのどちらかであることを主張している。つまり、このような事象が起きる確率は0か1かのどちらかであるということである。 末尾事象は、確率変数の無限列を用いて定義される。 を独立な確率変数の無限列とする。このとき末尾事象とは、その事象が起きるか起きないかはこれらの確率変数の値によって決まるが、この確率変数列の各有限部分列とは独立な事象のことである。例えば、級数 が収束するという事象は末尾事象である。しかし例えば、この収束先の和が1以上になるという事象は、X1の値と独立ではないので、末尾事象ではない。コイントスの無限列においては、100回連続して表が出るという事象が無限回起きる事象などは末尾事象である。 多くの状況において、ある事象が起きる確率が0か1であることを示すために、コルモゴロフの0-1法則を容易に適用することができる。しかし、実際の確率がこの2つの極端な値のうちどちらであるかを決定するのは、驚くほど難しい。

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  • 確率論におけるコルモゴロフの0-1法則(コルモゴロフの0-1ほうそく、英: Kolmogorov's zero–one law)は、アンドレイ・コルモゴロフにちなんで名づけられた定理である。この定理は、末尾事象(tail event)と呼ばれる特別な事象は、ほとんど確実に起きるか、あるいはほとんど確実に起きないかのどちらかであることを主張している。つまり、このような事象が起きる確率は0か1かのどちらかであるということである。 末尾事象は、確率変数の無限列を用いて定義される。 を独立な確率変数の無限列とする。このとき末尾事象とは、その事象が起きるか起きないかはこれらの確率変数の値によって決まるが、この確率変数列の各有限部分列とは独立な事象のことである。例えば、級数 が収束するという事象は末尾事象である。しかし例えば、この収束先の和が1以上になるという事象は、X1の値と独立ではないので、末尾事象ではない。コイントスの無限列においては、100回連続して表が出るという事象が無限回起きる事象などは末尾事象である。 多くの状況において、ある事象が起きる確率が0か1であることを示すために、コルモゴロフの0-1法則を容易に適用することができる。しかし、実際の確率がこの2つの極端な値のうちどちらであるかを決定するのは、驚くほど難しい。 (ja)
  • 確率論におけるコルモゴロフの0-1法則(コルモゴロフの0-1ほうそく、英: Kolmogorov's zero–one law)は、アンドレイ・コルモゴロフにちなんで名づけられた定理である。この定理は、末尾事象(tail event)と呼ばれる特別な事象は、ほとんど確実に起きるか、あるいはほとんど確実に起きないかのどちらかであることを主張している。つまり、このような事象が起きる確率は0か1かのどちらかであるということである。 末尾事象は、確率変数の無限列を用いて定義される。 を独立な確率変数の無限列とする。このとき末尾事象とは、その事象が起きるか起きないかはこれらの確率変数の値によって決まるが、この確率変数列の各有限部分列とは独立な事象のことである。例えば、級数 が収束するという事象は末尾事象である。しかし例えば、この収束先の和が1以上になるという事象は、X1の値と独立ではないので、末尾事象ではない。コイントスの無限列においては、100回連続して表が出るという事象が無限回起きる事象などは末尾事象である。 多くの状況において、ある事象が起きる確率が0か1であることを示すために、コルモゴロフの0-1法則を容易に適用することができる。しかし、実際の確率がこの2つの極端な値のうちどちらであるかを決定するのは、驚くほど難しい。 (ja)
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  • 確率論におけるコルモゴロフの0-1法則(コルモゴロフの0-1ほうそく、英: Kolmogorov's zero–one law)は、アンドレイ・コルモゴロフにちなんで名づけられた定理である。この定理は、末尾事象(tail event)と呼ばれる特別な事象は、ほとんど確実に起きるか、あるいはほとんど確実に起きないかのどちらかであることを主張している。つまり、このような事象が起きる確率は0か1かのどちらかであるということである。 末尾事象は、確率変数の無限列を用いて定義される。 を独立な確率変数の無限列とする。このとき末尾事象とは、その事象が起きるか起きないかはこれらの確率変数の値によって決まるが、この確率変数列の各有限部分列とは独立な事象のことである。例えば、級数 が収束するという事象は末尾事象である。しかし例えば、この収束先の和が1以上になるという事象は、X1の値と独立ではないので、末尾事象ではない。コイントスの無限列においては、100回連続して表が出るという事象が無限回起きる事象などは末尾事象である。 多くの状況において、ある事象が起きる確率が0か1であることを示すために、コルモゴロフの0-1法則を容易に適用することができる。しかし、実際の確率がこの2つの極端な値のうちどちらであるかを決定するのは、驚くほど難しい。 (ja)
  • 確率論におけるコルモゴロフの0-1法則(コルモゴロフの0-1ほうそく、英: Kolmogorov's zero–one law)は、アンドレイ・コルモゴロフにちなんで名づけられた定理である。この定理は、末尾事象(tail event)と呼ばれる特別な事象は、ほとんど確実に起きるか、あるいはほとんど確実に起きないかのどちらかであることを主張している。つまり、このような事象が起きる確率は0か1かのどちらかであるということである。 末尾事象は、確率変数の無限列を用いて定義される。 を独立な確率変数の無限列とする。このとき末尾事象とは、その事象が起きるか起きないかはこれらの確率変数の値によって決まるが、この確率変数列の各有限部分列とは独立な事象のことである。例えば、級数 が収束するという事象は末尾事象である。しかし例えば、この収束先の和が1以上になるという事象は、X1の値と独立ではないので、末尾事象ではない。コイントスの無限列においては、100回連続して表が出るという事象が無限回起きる事象などは末尾事象である。 多くの状況において、ある事象が起きる確率が0か1であることを示すために、コルモゴロフの0-1法則を容易に適用することができる。しかし、実際の確率がこの2つの極端な値のうちどちらであるかを決定するのは、驚くほど難しい。 (ja)
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  • コルモゴロフの0-1法則 (ja)
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