エネルギー増倍率とは核融合エネルギー分野において、原子核融合反応を起こすために投入したエネルギーと核融合反応で発生したエネルギー比率を指す。Q値と呼ばれる。 Q=1のときを臨界プラズマ条件と呼ぶ。現在開発が進められているD-T核融合に於いてはプラズマ温度1億度C以上、密度1立方センチメートルあたり100兆個とし、さらに1秒間以上閉じ込めることが条件になる。JT-60UおよびJET(Joint European Torus)に於いてはこの条件を達成している。ただし、これは重水素のみのプラズマなどで、実際にエネルギーを増大させ、発電等をしたわけではない。 Qが∞になる、つまり外部からの投入エネルギー無しで核反応が継続する条件を自己点火条件と呼ぶ。D-T反応に於いては、エネルギーは高速中性子の運動エネルギーの形で取り出され、ヘリウムの運動エネルギーは温度の維持に使われるので、結果的にヘリウムの運動エネルギーが温度を維持できる程度起きる条件と言う事になる。 当初、ITERは自己点火条件を目標に設計されていたが、建設費用等に問題が出た事もあり、設計が見直され自己点火条件を視野に入れつつQ=5〜10程度を目標に設計がなされている。

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  • エネルギー増倍率とは核融合エネルギー分野において、原子核融合反応を起こすために投入したエネルギーと核融合反応で発生したエネルギー比率を指す。Q値と呼ばれる。 Q=1のときを臨界プラズマ条件と呼ぶ。現在開発が進められているD-T核融合に於いてはプラズマ温度1億度C以上、密度1立方センチメートルあたり100兆個とし、さらに1秒間以上閉じ込めることが条件になる。JT-60UおよびJET(Joint European Torus)に於いてはこの条件を達成している。ただし、これは重水素のみのプラズマなどで、実際にエネルギーを増大させ、発電等をしたわけではない。 Qが∞になる、つまり外部からの投入エネルギー無しで核反応が継続する条件を自己点火条件と呼ぶ。D-T反応に於いては、エネルギーは高速中性子の運動エネルギーの形で取り出され、ヘリウムの運動エネルギーは温度の維持に使われるので、結果的にヘリウムの運動エネルギーが温度を維持できる程度起きる条件と言う事になる。 当初、ITERは自己点火条件を目標に設計されていたが、建設費用等に問題が出た事もあり、設計が見直され自己点火条件を視野に入れつつQ=5〜10程度を目標に設計がなされている。 (ja)
  • エネルギー増倍率とは核融合エネルギー分野において、原子核融合反応を起こすために投入したエネルギーと核融合反応で発生したエネルギー比率を指す。Q値と呼ばれる。 Q=1のときを臨界プラズマ条件と呼ぶ。現在開発が進められているD-T核融合に於いてはプラズマ温度1億度C以上、密度1立方センチメートルあたり100兆個とし、さらに1秒間以上閉じ込めることが条件になる。JT-60UおよびJET(Joint European Torus)に於いてはこの条件を達成している。ただし、これは重水素のみのプラズマなどで、実際にエネルギーを増大させ、発電等をしたわけではない。 Qが∞になる、つまり外部からの投入エネルギー無しで核反応が継続する条件を自己点火条件と呼ぶ。D-T反応に於いては、エネルギーは高速中性子の運動エネルギーの形で取り出され、ヘリウムの運動エネルギーは温度の維持に使われるので、結果的にヘリウムの運動エネルギーが温度を維持できる程度起きる条件と言う事になる。 当初、ITERは自己点火条件を目標に設計されていたが、建設費用等に問題が出た事もあり、設計が見直され自己点火条件を視野に入れつつQ=5〜10程度を目標に設計がなされている。 (ja)
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  • エネルギー増倍率とは核融合エネルギー分野において、原子核融合反応を起こすために投入したエネルギーと核融合反応で発生したエネルギー比率を指す。Q値と呼ばれる。 Q=1のときを臨界プラズマ条件と呼ぶ。現在開発が進められているD-T核融合に於いてはプラズマ温度1億度C以上、密度1立方センチメートルあたり100兆個とし、さらに1秒間以上閉じ込めることが条件になる。JT-60UおよびJET(Joint European Torus)に於いてはこの条件を達成している。ただし、これは重水素のみのプラズマなどで、実際にエネルギーを増大させ、発電等をしたわけではない。 Qが∞になる、つまり外部からの投入エネルギー無しで核反応が継続する条件を自己点火条件と呼ぶ。D-T反応に於いては、エネルギーは高速中性子の運動エネルギーの形で取り出され、ヘリウムの運動エネルギーは温度の維持に使われるので、結果的にヘリウムの運動エネルギーが温度を維持できる程度起きる条件と言う事になる。 当初、ITERは自己点火条件を目標に設計されていたが、建設費用等に問題が出た事もあり、設計が見直され自己点火条件を視野に入れつつQ=5〜10程度を目標に設計がなされている。 (ja)
  • エネルギー増倍率とは核融合エネルギー分野において、原子核融合反応を起こすために投入したエネルギーと核融合反応で発生したエネルギー比率を指す。Q値と呼ばれる。 Q=1のときを臨界プラズマ条件と呼ぶ。現在開発が進められているD-T核融合に於いてはプラズマ温度1億度C以上、密度1立方センチメートルあたり100兆個とし、さらに1秒間以上閉じ込めることが条件になる。JT-60UおよびJET(Joint European Torus)に於いてはこの条件を達成している。ただし、これは重水素のみのプラズマなどで、実際にエネルギーを増大させ、発電等をしたわけではない。 Qが∞になる、つまり外部からの投入エネルギー無しで核反応が継続する条件を自己点火条件と呼ぶ。D-T反応に於いては、エネルギーは高速中性子の運動エネルギーの形で取り出され、ヘリウムの運動エネルギーは温度の維持に使われるので、結果的にヘリウムの運動エネルギーが温度を維持できる程度起きる条件と言う事になる。 当初、ITERは自己点火条件を目標に設計されていたが、建設費用等に問題が出た事もあり、設計が見直され自己点火条件を視野に入れつつQ=5〜10程度を目標に設計がなされている。 (ja)
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  • エネルギー増倍率 (ja)
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