イスラム経済あるいはイスラム経済学(Islamic economics)とはイスラム研究のうち、シャリーア(イスラム法)で禁じられているリバー(利潤)の追求を目的としないイスラム銀行をはじめ、経典や伝統に基づくイスラム世界固有の経済秩序を究明する学問を指す。本分野は1940年代末に端を発し、1960年代半ば以降隆盛を見たのみならず、銀行制度については1970年代に発展した。イスラム経済の中核を成す特色は、コーランやスンナ、そして財政政策の基礎とも言うべきザカート税に由来する「行動規範」とされる。このため富の公正な分配や社会的弱者の救済などに対する国家の役割を重視する立場から、イスラム経済を社会主義や資本主義でもない「第三の道」と捉えるのが一般的である。