『イスカンダル無名氏の史書』とは、ティムール朝において最初期に編纂された史書の一つ。書名・著者名ともに不明であるが、ティムール朝の王族(ティムールの子の子)に献呈された史書であることは確実なため、研究者からは「イスカンダルに献呈された無名の著者の史書」として『イスカンダル無名氏の史書(ロシア語: аноним искендера)』と呼称されている。 イスカンダルがティムール朝第3代君主シャー・ルフに叛乱を起こして失脚すると、この書のイスカンダルを賛美する箇所等を改訂した史書が改めて編纂され、この改訂版は『ムイーン史選』と呼ばれた。『イスカンダル無名氏の史書』と『ムイーン史選』は内容が酷似するため、しばしば混同されることもある。