アンゴラ狂乱(あんごらきょうらん)とは、1930年(昭和5年)から1931年(昭和6年)にかけて日本で起きたアンゴラウサギの投機的流行である。アンゴラ黄金時代とも呼ばれる。 アンゴラウサギは、アンゴラ兎毛と呼ばれる長い被毛を毛糸や毛織物の材料として利用することを目的に改良された毛用種のウサギであり、採毛を目的としたウサギの飼育を採毛養兎と呼ぶ。 第一次世界大戦後、イギリス、フランスをはじめとする欧米各国では羊毛に代わる動物繊維としてアンゴラ兎毛が注目され、兎毛を生産するための採毛養兎と、加工するための兎毛工業が発達した。 昭和初期、日本でもアンゴラ兎毛の利用に関心が高まり、海外輸出のほか、国内の兎毛工業発達によるアンゴラ兎毛の需要増加を見込んで、アンゴラウサギの価格が高騰した。 明治初期のウサギバブルに続く、ウサギによって起こされた経済現象である。