アンカリング(英: Anchoring)とは、 1. * アンカーと呼ばれる先に与える情報が判断を歪めアンカーに近づく心理学の現象のこと。本項で詳述する。 2. * 船舶を錨を使って係留すること。 アンカリングとは認知バイアスの一種であり、先行する何らかの数値(アンカー)によって後の数値の判断が歪められ、判断された数値がアンカーに近づく傾向のことをさす。係留と呼ばれることもある。 例えば、「国連加盟国のうちアフリカの国の割合はいくらか」という質問をしたときに、質問の前に「65%よりも大きいか小さいか」と尋ねた場合(中央値45%)、「10%よりも大きいか小さいか」と尋ねた場合(中央値25%)よりも、大きい数値の回答が得られるという。 また、数値を明確に提示しなくてもバイアスは生じる。「8×7×6×5×4×3×2×1」または「1×2×3×4×5×6×7×8」という計算の結果を、5秒以内に推測してもらった場合、前者(中央値2,250)のほうが後者(中央値512)よりも大きい推測の値が得られたという(正答は40,320)。 また、日本語話者が「ピザ」と10回言わされた後に、肘を指差して「ここは?」と問われた際に「ひざ」と答えてしまう現象も、アンカリングである。

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  • アンカリング(英: Anchoring)とは、 1. * アンカーと呼ばれる先に与える情報が判断を歪めアンカーに近づく心理学の現象のこと。本項で詳述する。 2. * 船舶を錨を使って係留すること。 アンカリングとは認知バイアスの一種であり、先行する何らかの数値(アンカー)によって後の数値の判断が歪められ、判断された数値がアンカーに近づく傾向のことをさす。係留と呼ばれることもある。 例えば、「国連加盟国のうちアフリカの国の割合はいくらか」という質問をしたときに、質問の前に「65%よりも大きいか小さいか」と尋ねた場合(中央値45%)、「10%よりも大きいか小さいか」と尋ねた場合(中央値25%)よりも、大きい数値の回答が得られるという。 また、数値を明確に提示しなくてもバイアスは生じる。「8×7×6×5×4×3×2×1」または「1×2×3×4×5×6×7×8」という計算の結果を、5秒以内に推測してもらった場合、前者(中央値2,250)のほうが後者(中央値512)よりも大きい推測の値が得られたという(正答は40,320)。 また、日本語話者が「ピザ」と10回言わされた後に、肘を指差して「ここは?」と問われた際に「ひざ」と答えてしまう現象も、アンカリングである。 他の例に、ダン・アリエリーが、ニューヨーク・タイムズによるベストセラー本に選出された著書『予想どおりに不合理』で挙げたものがある。まず講義の聴衆に対し、彼らの社会保障番号の下2桁と同じ値段(ドル)で、ワインやチョコレートなど6種の品物を買うかどうかを質問した。その後、その品物に最大でいくら払えるかを質問したところ、社会保障番号の下2桁の数字が大きい人ほど、高い値段で買おうとする傾向が見られた。 (ja)
  • アンカリング(英: Anchoring)とは、 1. * アンカーと呼ばれる先に与える情報が判断を歪めアンカーに近づく心理学の現象のこと。本項で詳述する。 2. * 船舶を錨を使って係留すること。 アンカリングとは認知バイアスの一種であり、先行する何らかの数値(アンカー)によって後の数値の判断が歪められ、判断された数値がアンカーに近づく傾向のことをさす。係留と呼ばれることもある。 例えば、「国連加盟国のうちアフリカの国の割合はいくらか」という質問をしたときに、質問の前に「65%よりも大きいか小さいか」と尋ねた場合(中央値45%)、「10%よりも大きいか小さいか」と尋ねた場合(中央値25%)よりも、大きい数値の回答が得られるという。 また、数値を明確に提示しなくてもバイアスは生じる。「8×7×6×5×4×3×2×1」または「1×2×3×4×5×6×7×8」という計算の結果を、5秒以内に推測してもらった場合、前者(中央値2,250)のほうが後者(中央値512)よりも大きい推測の値が得られたという(正答は40,320)。 また、日本語話者が「ピザ」と10回言わされた後に、肘を指差して「ここは?」と問われた際に「ひざ」と答えてしまう現象も、アンカリングである。 他の例に、ダン・アリエリーが、ニューヨーク・タイムズによるベストセラー本に選出された著書『予想どおりに不合理』で挙げたものがある。まず講義の聴衆に対し、彼らの社会保障番号の下2桁と同じ値段(ドル)で、ワインやチョコレートなど6種の品物を買うかどうかを質問した。その後、その品物に最大でいくら払えるかを質問したところ、社会保障番号の下2桁の数字が大きい人ほど、高い値段で買おうとする傾向が見られた。 (ja)
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  • アンカリング(英: Anchoring)とは、 1. * アンカーと呼ばれる先に与える情報が判断を歪めアンカーに近づく心理学の現象のこと。本項で詳述する。 2. * 船舶を錨を使って係留すること。 アンカリングとは認知バイアスの一種であり、先行する何らかの数値(アンカー)によって後の数値の判断が歪められ、判断された数値がアンカーに近づく傾向のことをさす。係留と呼ばれることもある。 例えば、「国連加盟国のうちアフリカの国の割合はいくらか」という質問をしたときに、質問の前に「65%よりも大きいか小さいか」と尋ねた場合(中央値45%)、「10%よりも大きいか小さいか」と尋ねた場合(中央値25%)よりも、大きい数値の回答が得られるという。 また、数値を明確に提示しなくてもバイアスは生じる。「8×7×6×5×4×3×2×1」または「1×2×3×4×5×6×7×8」という計算の結果を、5秒以内に推測してもらった場合、前者(中央値2,250)のほうが後者(中央値512)よりも大きい推測の値が得られたという(正答は40,320)。 また、日本語話者が「ピザ」と10回言わされた後に、肘を指差して「ここは?」と問われた際に「ひざ」と答えてしまう現象も、アンカリングである。 (ja)
  • アンカリング(英: Anchoring)とは、 1. * アンカーと呼ばれる先に与える情報が判断を歪めアンカーに近づく心理学の現象のこと。本項で詳述する。 2. * 船舶を錨を使って係留すること。 アンカリングとは認知バイアスの一種であり、先行する何らかの数値(アンカー)によって後の数値の判断が歪められ、判断された数値がアンカーに近づく傾向のことをさす。係留と呼ばれることもある。 例えば、「国連加盟国のうちアフリカの国の割合はいくらか」という質問をしたときに、質問の前に「65%よりも大きいか小さいか」と尋ねた場合(中央値45%)、「10%よりも大きいか小さいか」と尋ねた場合(中央値25%)よりも、大きい数値の回答が得られるという。 また、数値を明確に提示しなくてもバイアスは生じる。「8×7×6×5×4×3×2×1」または「1×2×3×4×5×6×7×8」という計算の結果を、5秒以内に推測してもらった場合、前者(中央値2,250)のほうが後者(中央値512)よりも大きい推測の値が得られたという(正答は40,320)。 また、日本語話者が「ピザ」と10回言わされた後に、肘を指差して「ここは?」と問われた際に「ひざ」と答えてしまう現象も、アンカリングである。 (ja)
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  • アンカリング (ja)
  • アンカリング (ja)
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