「アブバカリ2世」は、マリ帝国のマンサ(Mansa)の一人とされる王の名前である。アブバカリ2世は「1310年頃に王位についていたが、大西洋を横断する探検をするため、王位を退いた、そして、彼の弟もしくは息子が、1324年のメッカ巡礼で有名なマンサ・ムーサである」と言われているが、適切な文献でその名を確認することができず、実在しなかった可能性がある。 アブバカリ2世の実像は、西アフリカ史を専門とする歴史研究者により明らかにされつつあるが、むしろ、アメリカ合衆国における「」により、その虚像に焦点があたっているというのが現状である。アフロセントリズム的文脈においては、アブバカリ2世はコロンブスよりも200年早くアメリカ州に到着し、そこでアフリカ文化を先住民に広めたとされる。さらにそのイスラーム主義的解釈においては、アメリカでイスラームを先住民に広めたとされる。