数学基礎論においてω無矛盾(オメガむむじゅん、英: ω-consistent)とは、公理系の性質を表す概念のひとつである。不完全性定理を示すためにクルト・ゲーデルによって導入された。ω無矛盾性は、通常の無矛盾性よりも強い性質である。 ヒルベルト・プログラムの下、数学の完全性と無矛盾性を示そうとする試みがなされていたが、1931年にゲーデルの発表した不完全性定理は、ある意味でそのふたつが両立することは不可能であるというものであった。ゲーデルは「公理系が無矛盾ならば不完全」であることを示そうとしたが果たせず、それよりも少し弱い「ω無矛盾ならば不完全」であることを示した。しかし1936年アメリカの論理学者ジョン・バークリー・ロッサーによって、ゲーデルの当初の目的である「無矛盾ならば不完全」が示された。今日では、ゲーデルによるω無矛盾性を用いた前者の定理を「第1不完全性定理」と呼ぶ。

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  • 数学基礎論においてω無矛盾(オメガむむじゅん、英: ω-consistent)とは、公理系の性質を表す概念のひとつである。不完全性定理を示すためにクルト・ゲーデルによって導入された。ω無矛盾性は、通常の無矛盾性よりも強い性質である。 ヒルベルト・プログラムの下、数学の完全性と無矛盾性を示そうとする試みがなされていたが、1931年にゲーデルの発表した不完全性定理は、ある意味でそのふたつが両立することは不可能であるというものであった。ゲーデルは「公理系が無矛盾ならば不完全」であることを示そうとしたが果たせず、それよりも少し弱い「ω無矛盾ならば不完全」であることを示した。しかし1936年アメリカの論理学者ジョン・バークリー・ロッサーによって、ゲーデルの当初の目的である「無矛盾ならば不完全」が示された。今日では、ゲーデルによるω無矛盾性を用いた前者の定理を「第1不完全性定理」と呼ぶ。 (ja)
  • 数学基礎論においてω無矛盾(オメガむむじゅん、英: ω-consistent)とは、公理系の性質を表す概念のひとつである。不完全性定理を示すためにクルト・ゲーデルによって導入された。ω無矛盾性は、通常の無矛盾性よりも強い性質である。 ヒルベルト・プログラムの下、数学の完全性と無矛盾性を示そうとする試みがなされていたが、1931年にゲーデルの発表した不完全性定理は、ある意味でそのふたつが両立することは不可能であるというものであった。ゲーデルは「公理系が無矛盾ならば不完全」であることを示そうとしたが果たせず、それよりも少し弱い「ω無矛盾ならば不完全」であることを示した。しかし1936年アメリカの論理学者ジョン・バークリー・ロッサーによって、ゲーデルの当初の目的である「無矛盾ならば不完全」が示された。今日では、ゲーデルによるω無矛盾性を用いた前者の定理を「第1不完全性定理」と呼ぶ。 (ja)
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  • Ω無矛盾 (ja)
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