1993年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)優勝決定戦の第90回ワールドシリーズ(だい90かいワールドシリーズ、90th World Series)は、10月16日から23日にかけて計6試合が開催された。その結果、トロント・ブルージェイズ(アメリカンリーグ)がフィラデルフィア・フィリーズ(ナショナルリーグ)を4勝2敗で下し、2年連続2回目の優勝を果たした。 両チームの対戦はシリーズ史上初めて。ブルージェイズは優勝に王手をかけて迎えた第6戦、1点を追う9回裏にジョー・カーターが3点本塁打を放ち、逆転サヨナラで優勝を決めた。ワールドシリーズでの優勝決定サヨナラ安打とサヨナラ本塁打はともに2年ぶりで、前者は7度目、後者は10度目。優勝決定サヨナラ本塁打となると、1960年にピッツバーグ・パイレーツのビル・マゼロスキーが放って以来、33年ぶり2度目である。カナダ放送協会は2017年、英領北アメリカ法制定150周年記念に "カナダのスポーツ史における15大名場面" を選出し、そのなかでブルージェイズがシリーズ連覇を決めたこの場面を第3位としている。シリーズMVPには、第3戦と第6戦でいずれも初回に先制の適時三塁打を放つなど全6試合で安打を記録し、打率.500・2本塁打・8打点・OPS 1.571という成績を残したブルージェイズのポール・モリターが選出された。