1973年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)のポストシーズンは10月6日に開幕した。ナショナルリーグの第5回リーグチャンピオンシップシリーズ(5th National League Championship Series、以下「リーグ優勝決定戦」と表記)は、同日から10日にかけて計5試合が開催された。その結果、ニューヨーク・メッツ(東地区)がシンシナティ・レッズ(西地区)を3勝2敗で下し、4年ぶり2回目のリーグ優勝およびワールドシリーズ進出を果たした。 両球団がリーグ優勝決定戦で対戦するのはこれが初めて。レギュラーシーズンでは両球団は12試合対戦し、レッズが8勝4敗と勝ち越していた。レッズの99勝63敗がこの年のMLB全体でも最高の成績だったのに対し、メッツの82勝79敗はポストシーズン進出球団史上最低の成績だったことから、シリーズ開幕前はレッズが優位とみられていたが、メッツは下馬評を覆してシリーズを制した。レギュラーシーズン勝率が低いほうの球団が制したポストシーズンのシリーズとしては、勝率差102ポイントは当時歴代2位の大きさだった。しかしメッツは、ワールドシリーズではアメリカンリーグ王者オークランド・アスレチックスに3勝4敗で敗れ、4年ぶり2度目の優勝を逃した。