1970年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)優勝決定戦の第67回ワールドシリーズ(だい67かいワールドシリーズ、67th World Series)は、10月10日から15日にかけて計5試合が開催された。その結果、ボルチモア・オリオールズ(アメリカンリーグ)がシンシナティ・レッズ(ナショナルリーグ)を4勝1敗で下し、4年ぶり2回目の優勝を果たした。 両チームの対戦はシリーズ史上初めて。レギュラーシーズンで100勝以上を挙げた球団どうしがワールドシリーズで対戦するのは、2年連続7回目である。レッズの本拠地球場リバーフロント・スタジアムは人工芝を採用しており、今シリーズ第1戦は人工芝の上で行われたシリーズ史上初の試合となった。オリオールズの三塁手ブルックス・ロビンソンは、記者から人工芝での守備について訊かれ「俺はメジャーリーグの三塁手だぞ。やれと言われれば駐車場でも試合をするし、打球も止めてやるよ」と答えた。今シリーズを通じてB・ロビンソンは好守を続け、レッズ監督スパーキー・アンダーソンに「ブルックスが夢にまで出てくるようになった。紙皿を落としても、あいつはワンバウンドで拾って俺をアウトにするんだ」と言わしめた。さらにB・ロビンソンは、打撃でも5試合で打率.429・2本塁打・6打点・OPS 1.238という成績を残し、シリーズMVPに選出された。