『青い帽子の男』(あおいぼうしのおとこ)は、初期フランドル派の画家ヤン・ファン・エイクが描いた絵画。木板に油彩で描かれた板絵で、ルーマニアのシビウのブルケンタール国立博物館 (en:Brukenthal National Museum) が所蔵している。額装のフレームも入れて22.5 cm x 16.6 cm という小さな肖像画で、1430年から1433年ごろに制作依頼を受けて描かれた作品である。やや大きめに表現された頭部、暗色で塗りつぶされた背景、医学的に正確な詳細表現や肌質表現、そして錯視的効果など、ファン・エイクが世俗人を描いた肖像画の典型ともいえる要素が多く見られる作品となっている。ファン・エイク自身はこの作品に題名をつけておらず、ファン・エイクが描いたほかの肖像画の多くと同様に、描かれている人物が誰であるのかは伝わっていない。右手に指輪をもっているため、以前には描かれている男性が宝石商あるいは金細工師だったとされており、『宝石商』など時代によってさまざまな名称で呼ばれてきた作品だった。現在の美術史家には、右手の指輪は婚約の象徴だと解釈され、作品の名称も男性がかぶっている頭飾りの色や形にちなんだ名称で呼ばれることが多い。

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  • 『青い帽子の男』(あおいぼうしのおとこ)は、初期フランドル派の画家ヤン・ファン・エイクが描いた絵画。木板に油彩で描かれた板絵で、ルーマニアのシビウのブルケンタール国立博物館 (en:Brukenthal National Museum) が所蔵している。額装のフレームも入れて22.5 cm x 16.6 cm という小さな肖像画で、1430年から1433年ごろに制作依頼を受けて描かれた作品である。やや大きめに表現された頭部、暗色で塗りつぶされた背景、医学的に正確な詳細表現や肌質表現、そして錯視的効果など、ファン・エイクが世俗人を描いた肖像画の典型ともいえる要素が多く見られる作品となっている。ファン・エイク自身はこの作品に題名をつけておらず、ファン・エイクが描いたほかの肖像画の多くと同様に、描かれている人物が誰であるのかは伝わっていない。右手に指輪をもっているため、以前には描かれている男性が宝石商あるいは金細工師だったとされており、『宝石商』など時代によってさまざまな名称で呼ばれてきた作品だった。現在の美術史家には、右手の指輪は婚約の象徴だと解釈され、作品の名称も男性がかぶっている頭飾りの色や形にちなんだ名称で呼ばれることが多い。 『青い帽子の男』がファン・エイクの作品であると鑑定されたのは19世紀後半だったが、異論を唱える美術史家も少なくなかった。しかしながら1991年に赤外線による解析が行われ、発見された下絵の存在と油彩技法から、現在では間違いなくファン・エイクの作品だと同定されている。 1948年以前から『青い帽子の男』はルーマニアのシビウのブルケンタール国立博物館が所蔵していた。1945年に成立したルーマニア社会主義共和国政府が、『青い帽子の男』などブルケンタール国立博物館が所蔵する最重要絵画作品18点を接収し、ブカレストのルーマニア国立美術館 (en:National Museum of Art of Romania) へと移した。その後シビウが欧州文化首都に選定される2007年に間に合うように、2006年末にブルケンタール国立博物館へと返還された。 (ja)
  • 『青い帽子の男』(あおいぼうしのおとこ)は、初期フランドル派の画家ヤン・ファン・エイクが描いた絵画。木板に油彩で描かれた板絵で、ルーマニアのシビウのブルケンタール国立博物館 (en:Brukenthal National Museum) が所蔵している。額装のフレームも入れて22.5 cm x 16.6 cm という小さな肖像画で、1430年から1433年ごろに制作依頼を受けて描かれた作品である。やや大きめに表現された頭部、暗色で塗りつぶされた背景、医学的に正確な詳細表現や肌質表現、そして錯視的効果など、ファン・エイクが世俗人を描いた肖像画の典型ともいえる要素が多く見られる作品となっている。ファン・エイク自身はこの作品に題名をつけておらず、ファン・エイクが描いたほかの肖像画の多くと同様に、描かれている人物が誰であるのかは伝わっていない。右手に指輪をもっているため、以前には描かれている男性が宝石商あるいは金細工師だったとされており、『宝石商』など時代によってさまざまな名称で呼ばれてきた作品だった。現在の美術史家には、右手の指輪は婚約の象徴だと解釈され、作品の名称も男性がかぶっている頭飾りの色や形にちなんだ名称で呼ばれることが多い。 『青い帽子の男』がファン・エイクの作品であると鑑定されたのは19世紀後半だったが、異論を唱える美術史家も少なくなかった。しかしながら1991年に赤外線による解析が行われ、発見された下絵の存在と油彩技法から、現在では間違いなくファン・エイクの作品だと同定されている。 1948年以前から『青い帽子の男』はルーマニアのシビウのブルケンタール国立博物館が所蔵していた。1945年に成立したルーマニア社会主義共和国政府が、『青い帽子の男』などブルケンタール国立博物館が所蔵する最重要絵画作品18点を接収し、ブカレストのルーマニア国立美術館 (en:National Museum of Art of Romania) へと移した。その後シビウが欧州文化首都に選定される2007年に間に合うように、2006年末にブルケンタール国立博物館へと返還された。 (ja)
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  • 『青い帽子の男』(あおいぼうしのおとこ)は、初期フランドル派の画家ヤン・ファン・エイクが描いた絵画。木板に油彩で描かれた板絵で、ルーマニアのシビウのブルケンタール国立博物館 (en:Brukenthal National Museum) が所蔵している。額装のフレームも入れて22.5 cm x 16.6 cm という小さな肖像画で、1430年から1433年ごろに制作依頼を受けて描かれた作品である。やや大きめに表現された頭部、暗色で塗りつぶされた背景、医学的に正確な詳細表現や肌質表現、そして錯視的効果など、ファン・エイクが世俗人を描いた肖像画の典型ともいえる要素が多く見られる作品となっている。ファン・エイク自身はこの作品に題名をつけておらず、ファン・エイクが描いたほかの肖像画の多くと同様に、描かれている人物が誰であるのかは伝わっていない。右手に指輪をもっているため、以前には描かれている男性が宝石商あるいは金細工師だったとされており、『宝石商』など時代によってさまざまな名称で呼ばれてきた作品だった。現在の美術史家には、右手の指輪は婚約の象徴だと解釈され、作品の名称も男性がかぶっている頭飾りの色や形にちなんだ名称で呼ばれることが多い。 (ja)
  • 『青い帽子の男』(あおいぼうしのおとこ)は、初期フランドル派の画家ヤン・ファン・エイクが描いた絵画。木板に油彩で描かれた板絵で、ルーマニアのシビウのブルケンタール国立博物館 (en:Brukenthal National Museum) が所蔵している。額装のフレームも入れて22.5 cm x 16.6 cm という小さな肖像画で、1430年から1433年ごろに制作依頼を受けて描かれた作品である。やや大きめに表現された頭部、暗色で塗りつぶされた背景、医学的に正確な詳細表現や肌質表現、そして錯視的効果など、ファン・エイクが世俗人を描いた肖像画の典型ともいえる要素が多く見られる作品となっている。ファン・エイク自身はこの作品に題名をつけておらず、ファン・エイクが描いたほかの肖像画の多くと同様に、描かれている人物が誰であるのかは伝わっていない。右手に指輪をもっているため、以前には描かれている男性が宝石商あるいは金細工師だったとされており、『宝石商』など時代によってさまざまな名称で呼ばれてきた作品だった。現在の美術史家には、右手の指輪は婚約の象徴だと解釈され、作品の名称も男性がかぶっている頭飾りの色や形にちなんだ名称で呼ばれることが多い。 (ja)
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