『牧神の午後』(ぼくしんのごご、仏: L'Après-midi d'un faune )は、クロード・ドビュッシーの管弦楽曲『牧神の午後への前奏曲』(1894年)に基づいて作られたバレエ・リュス(ロシア・バレエ団)のバレエ作品。レオン・バクストが美術と衣裳を担当。同団の花形かつ伝説的なダンサーであるヴァーツラフ・ニジンスキーが初めて振り付けを担当し主演を務めた。バレエの筋書きは、ドビュッシーの作品にインスピレーションを与えたステファヌ・マラルメの詩『半獣神の午後』に拠っているが、振付は古典的なバレエの様式を全て否定した、モダンダンスの元祖ともいうべきものであり、露骨な性的表現と相まって、1912年にパリで初演された際には『春の祭典』と同様大きなスキャンダルとなった。