有機物減速冷却炉(ゆうきぶつげんそくれいきゃくろ、OCR)は、原子力工学の黎明期にアメリカ原子力委員会をはじめ世界中で研究された原子炉の型式の一つである。この型の原子炉は燃料棒や炉心の設計が軽水炉 (LWR) によく似ているが、水の代わりに炭化水素を冷却材兼減速材として用いる。高温の有機冷却材はポンプにより熱交換器に通され、水を沸騰させて得られた蒸気によりタービン発電機を駆動する。軽水炉と同様に低濃縮二酸化ウランを燃料として利用できるが、その他の燃料についても検討された。