愛染カツラ(あいぜんカツラ)は、長野県上田市別所温泉の北向観音境内に生育するカツラの巨木(雄株)である。推定の樹齢は300年以上、600年から650年、1000年以上などの諸説があり、慈覚大師円仁と千手観音にまつわる伝説が残されている。この木が世に知られる契機となったのは、川口松太郎の小説『愛染かつら』である。川口はこのカツラの木と木に隣接する愛染明王堂に着想を得て、1編の恋愛ドラマを書き上げた。小説及びこれを原作とした映画の大ヒットによって、この木も「愛染カツラ」と呼ばれるようになっている。