大明宝鈔(だいみんほうしょう、簡: 大明宝钞、繁: 大明寶鈔)とは中国の明王朝が発行した紙幣を指す。以後、宝鈔と略記する。1375年から発行された宝鈔は、歴史上で最大の紙幣とされている。 明の貨幣制度は前王朝の元を引き継いだ部分がありつつも、王朝を通じた統一的な貨幣政策は存在しなかった。明では小額の取引用として銅銭、高額取引用として宝鈔が発行された。中国では宋の時代から紙幣が使われていたが、宋の紙幣である交子や、元の紙幣である交鈔と異なり、明の宝鈔は臨時支出の手段として断続的に発行された。宝鈔と銅銭との固定レートは設定されていたが、価値を維持するための政策が不十分であり、価値が下落していった。