トラヤヌス浴場(ラテン語: Thermae Traiani)は、古代ローマの公衆浴場を中心とした複合施設で、紀元104年に着工し、109年7月の朔日にオープンした。トラヤヌス帝の命で、当時の市街地の郊外だったオッピウスの丘の南の斜面に建設されたが、セルウィウス城壁の内側である。設計者はダマスカスのアポロドーロスとされている。娯楽施設および集会所としても機能し、ローマ市民向けの男女両用の公衆浴場として5世紀初頭まで使われた。537年、ゴート族がローマを包囲し、ローマ水道を破壊したために公衆浴場は使えなくなり、廃棄された。