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  • 「藪の中」(やぶのなか)は、芥川龍之介の短編小説。初出は「新潮」1月号(1922年)、初刊は「将軍」(1922年)。複数の視点から同一の事象を描く内的多元焦点化(ジュネット)の手法がとられ、殺人と強姦という事件をめぐって4人の目撃者と3人の当事者が告白する証言の束として書かれており、それぞれが矛盾し錯綜しているために真相をとらえることが著しく困難になるよう構造化されている。その未完結性の鮮烈な印象から、証言の食い違いなどから真相が不分明になることを称して「藪の中」という言葉まで生まれた。今昔物語集を下敷きにしたいわゆる「王朝物」の最後の作品であり、創作の度合いは最も高い。また今昔物語の他にもビアス「月明かりの道」、ブラウニング「指輪と本」などとの類似が指摘されている。芥川の作品中でも屈指の数の論文が書かれており、それ自体がこの短編の名作たるゆえんともなっているが、同時に読者が一人の目撃者として「真相の解釈」という名の証言を行うかのような状況を呈し、いまだ「真相」は見いだされていない。研究前史においては誰の証言が最も真実に近いのか、芥川の真意はどこにあるのかということが争われたが、近年ではテクストとしての意識が強まり、そういった「藪の中」論そのものを論じたり(読書行為論)、小説内における語りやそれに貫かれているコードを論じる研究が展開され始めている。
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  • 「藪の中」(やぶのなか)は、芥川龍之介の短編小説。初出は「新潮」1月号(1922年)、初刊は「将軍」(1922年)。複数の視点から同一の事象を描く内的多元焦点化(ジュネット)の手法がとられ、殺人と強姦という事件をめぐって4人の目撃者と3人の当事者が告白する証言の束として書かれており、それぞれが矛盾し錯綜しているために真相をとらえることが著しく困難になるよう構造化されている。その未完結性の鮮烈な印象から、証言の食い違いなどから真相が不分明になることを称して「藪の中」という言葉まで生まれた。今昔物語集を下敷きにしたいわゆる「王朝物」の最後の作品であり、創作の度合いは最も高い。また今昔物語の他にもビアス「月明かりの道」、ブラウニング「指輪と本」などとの類似が指摘されている。芥川の作品中でも屈指の数の論文が書かれており、それ自体がこの短編の名作たるゆえんともなっているが、同時に読者が一人の目撃者として「真相の解釈」という名の証言を行うかのような状況を呈し、いまだ「真相」は見いだされていない。研究前史においては誰の証言が最も真実に近いのか、芥川の真意はどこにあるのかということが争われたが、近年ではテクストとしての意識が強まり、そういった「藪の中」論そのものを論じたり(読書行為論)、小説内における語りやそれに貫かれているコードを論じる研究が展開され始めている。
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  • 藪の中
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