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  • 『沙漠の魔王』(さばくのまおう)とは福島鉄次作の長編絵物語である。1949年(昭和24年)から1956年(昭和31年)までの間、月刊『少年少女冒険王』(のちの『冒険王』)(秋田書店刊)に連載され、その後、単行本(全9巻)となった。秋田書店の初代社長、秋田貞夫の提案を受け、『少年少女冒険王』の創刊号冒頭をオールカラーで飾った「ポップ少年の冒険・ダイヤ魔神」が初出であったが、副主人公である巨人に人気が集中し、二回目よりこの題名となり、魔王の活躍が始まる。物語は『アラジンと魔法のランプ』に想を得ている。香木を焚くと香炉から巨大な魔王が出現し、飛行石の力を以って空を飛び、無敵の力を発揮する。彼自身は呼び出した者の命を受けるので、時には主人公であるポップ少年と敵対することもある。舞台はアラビアともアフリカともつかぬ異郷の地、魔王はターバンを巻き赤いマントを身にまといブーツを履いたアラブ風のコスチューム。四色カラー16ページという豪華な体裁に盛り込まれた異国情緒あふれる背景世界は、その荒唐無稽な冒険活劇の筋立てと共に、終戦直後の少年たちの心を捉えた。後にアニメ映画監督となる宮崎駿もその1人で、『風の谷のナウシカ』や『天空の城ラピュタ』に本作の影響を見出すことができる。特筆すべきは、グラフィック面である。アメリカンコミックスに影響を受けた、鮮やかでキッチュな彩色、大胆な構図と緻密で立体的な描写、ユニークな兵器のデザイン。これらは世紀を隔てた今も魅力を放っている。本作は、山川惣治・小松崎茂の諸作品と共に、「絵物語」という新ジャンルの端緒を開いた。当時、単行本が発売されたが、全巻刊行されず最後の22話分が未収録の状態であった。2012年8月10日に発売予定の『『沙漠の魔王』完全復刻版』が初の完全版刊行となる。なお復刻版刊行を記念して『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)2012年27号-30号誌上において特集が組まれ、作品紹介や宮崎駿、藤子不二雄Ⓐのインタビュー、宮崎駿研究家である叶精二による解説などが掲載された。またこの復刻により三鷹の森ジブリ美術館『挿絵が僕らにくれたもの』展(2012年6月2日-2013年5月)に本作品の複製画が展示されることとなった。
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  • 沙漠の魔王
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